■問題はスクリプトよりも下準備にあったんです!無料プレゼントもありますよ^ ^   
(クリックで拡大します) 
おつかれさまです。@gorolibです。

唐突ではありますが、ずーっと気になっておりましたDTPにおける画像配置のワークフローにつきまして。

スクリプトを通じて何やらその「真理らしきもの」がぼんやりと見えてきましたので、報告いたします。

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今年の最高傑作と自負しております(自分で^ ^)「イラストレーターでたくさんの画像を全自動リンク配置するスクリプト4」は、もはやインフラ、なくてはならないスクリプトとなりました。


このスクリプトを使うと、ホントに作業時間が20分の1くらいになります。つまり20分が1分でおわる。今年の最高傑作の所以です。

しかし作業工程だけを洗い出しても(かなりのショートカットではありますが)とても20分の1になんかなるはずがない。

はぁ〜なんだろなぁ〜(稲川風)

と悩んでいたのですが、急にわかりました。結論から申し上げると、作業のやりなおしがゼロになったのです。

※これは私個人の例ですので「おバカでしたねぇ(笑)」と笑ってくださいませ。


■まちがいだらけの「いきなり配置」


このスクリプトの使い方は、
(1)オブジェクトを選択する
(2)スクリプト起動
(3)画像を選ぶ(オブジェクトが長方形のクリッピングマスクになる)
というたった3工程しかありません。

しかしスクリプトを作ってわかったのは、下準備である(1)に該当する作業を今までやっていなかったということです。

具体的には画像配置が必要になったときは、ノープランでいきなり配置コマンドを実行していました。大きさや位置について何の目安もなくいきなり画像配置していたのです。

すると高確率でこうなります^ ^(図Bを参照)
(デカっ!クリックで拡大します)
そのあとBを拡大縮小したり、移動したり何かと比べたりして「その配置画像の大きさの妥当性」を探るわけですが、いきなり配置〜大きさの妥当性を探る作業は実は盛大なムダなのです。


■最初にAの枠を用意せよ


つまり「最初にAの枠を用意せよ」ということだったのです。スクリプトなしならば「Aに該当するような、大きさの目安を用意しておけ」ということです。

大きさの目安となるものを用意せよ

これが「画像配置のワークフローの根底からの見直し」でございます。このスクリプトはAさえ用意しておけば、ワンタッチでクリッピングマスクまでかけてくれるのですから、便利この上ない(自分で^ ^)

じゃあこのAをどうやって決めるのか?

これは「お手軽な道具論」にはおさまらず、デザインレイアウト論まで遡及してしまうので、私などが太刀打ちできる範囲ではありません(笑)

ありませんが、それでも納品までには一意に決めているわけで(当たり前ですが)、私の場合はラフスケッチがほぼ全てでございます。あくまで一例として参照くださいませ。


少なくとも「そもそも決めづらいAをスクリーン上で試行錯誤しながら決める」というのが完全なナンセンス、盛大なムダであることはわかっていただけると思います。


■ほぼ一発で!たまに微調整あり


念のため、このスクリプトの仕様を再記述しておきます。

<仕様>─────
(1)選択した画像(複数可)を、選択したオブジェクトのバウンディングボックス枠に配置します
  →注:選択したオブジェクトは枠に変換したあと、削除されますのでご注意を!
(2)拡張子はjpg、png、psd、eps、pdfが対象です
(3)配置先のワクに合わせて拡大縮小します(ワクが埋まるような倍率で)
(4)さらに位置も配置先のパスアイテムに合わせてくれます
(5)さらにさらに選択したワクでクリッピングマスクもかけてくれます
(6)ファイル名順に、配置先は左上から右下の順に配置します
(7)配置先のワクが足りなくても、画像が足りなくてもどちらでもOK!
(8)プレビュー境界にもクリッピングマスク枠にも対応します
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つまりポテチを食べながらでも一発で適正配置ができるのです。

あとは微調整。解像度が足りる範囲での拡大・縮小や上下左右の移動など、ほんのわずかな作業しかありません。



■解像度の検討は配置してから


さて、ここまでいっさい解像度の話が出てませんが、実は解像度は配置した後にチェックすればよいと考えています。

つまりAの大きさも決めていないのに解像度の話などナンセンスなのです。元々の解像度(Photoshop上で確認できる解像度)とは別で、Illustrator上で拡大縮小すれば、配置画像の解像度は変化します。

175dpiしかない画像でも、Illustrator上で50%縮小することで350dpiになるのですから。

もちろんAが決まったら計算で出してもいいんですが、酔狂が過ぎますよね?(笑)

実際にこのスクリプトで配置し、コントロールバーで確認すればいいんですから。
(ここ)
なので、このコントロールバーに表示される解像度をスクリプト取得する方法を探っているわけでございます。はい。



ここではじめて「解像度が不適切」な場合は、縮小するか写真を差し替えるかという議論に持っていけるわけです。一意に決めるための変数がたくさんあるのに、条件式が揃わないまま右往左往している数学のようなものですね(ちがうかな^ ^…)


また元画像のリサイズを行うのもこの後です。表現する大きさが決まらなければ解像度も決まらないのですから当然です。解像度が1000(!)になっちゃった場合とかですね。


■「写真そのものが意匠」である場合はまったく別です


さて、ここまでのお話は「写真そのものが意匠」である素材には当てはまりません。単純に数学パズルのようなはめ込みの話でございます。


「写真そのものが意匠」(絵画や大先生カメラマンの作品などトリミング不可の素材)である場合は、素材によって判型を決めることになるでしょう。素材中心にいろいろな要素が回ります。


クリッピングマスクではめ込むなんておこがましい。どうやったらその素材を活かせるか?という議論になりますので、ちょっと今回の議論からは外しておきましょう。


もっとも…そのような高尚な素材は扱ったことがないのですけどね(笑)


■というわけでプレゼントです!


はい、クリスマスなのでプレゼントがあります。


は有料スクリプトですが、ぜひともこの「全自動の快感」を味わっていただきたく、
ひとつの画像だけを全自動リンク配置するスクリプト
を無料提供いたしますので、どうぞご利用ください! タイトルなし
<スクリプト名>

※たぶんmacOSのみ対応ですが、Windowsでもできた!という方はコメント欄にて報告いただければ幸いです(拡張子フィルタが違うんですよね…)

<使い方>
(1)オブジェクトをひとつだけ選択する
(2)スクリプトを起動
(3)画像をひとつだけ選ぶ
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なお、たくさんの画像をいっぺんに配置したい!という方はこちらからどうぞ。


本日のテーマについて「そんなん当たり前やん!」という方は、どうぞ大目に見てくださいませ…。

お役に立てれば幸いです!ではでは出羽の海。


(追記161222)
肝心のワークフローそのものの記載を失念しておりました…(それな!笑)

■あたらしい画像配置ワークフロー

(1)目安のオブジェクトを選択する(*1)
(2)全自動配置スクリプトを起動する
(3)画像を選ぶ(*2)
(4)ダイレクト選択もしくはグループ選択ツールにて、拡大縮小・移動などで微調整する
(5)解像度が明らかに不足している場合はクライアントに相談する

(*1)…目安のオブジェクトはクリッピングマスクの枠となります。このオブジェクトの種類は問いませんが、すべてバウンディングボックス形状(長方形)に変換します。なお目安のオブジェクトを画像(クリッピングマスク画像でもOK)にすれば、一瞬で画像の入れ替えが可能です。

(*2)…対象画像はあらかじめPhotoshopなどでトリミングしておいたほうがベターです。Illustrator上で調整するのでバチッと決めなくても大丈夫ですが、あきらかに不要な部分は切り落としたほうがやりやすいです。料理で言えば下処理のようなものですね。

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